デジタルカメラ 2018 12 2

「自由貿易の光と影」
 かつて、世界市場において、
テレビといえば、日本製品だった。
 しかし、韓国、中国の猛烈な追い上げによって、
日本製のテレビは、見る影もなくなったのです。
多くの家電製品も、同じような状況になっているかもしれません。
 韓国、中国の勝利は、
人件費が安いことに加えて、
大規模で集中的な投資が勝利の原因でしょう。
 日本の場合は、
同じ製品を作るメーカーが乱立したことが、
敗因の一つと言えるでしょう。
 一方、電子部品の分野においては、
日本製品は、世界市場において、優位に立っています。
 ただし、こうした電子部品分野の多くは、
1社か2社の寡占状態にあります。
 こうしてみると、電子部品の分野、完成品の分野では、
アメリカ企業が入る余地はありません。
 アメリカが製造業をあきらめて、
「GAFA」と呼ばれるIT産業に集中したのは、合理的と言えるでしょう。
 さて、こうした電化製品において、
依然として、韓国や中国に対して、
日本が競争力があるのが、デジタルカメラです。

書名 カメラはじめます!
著者 こいしゆうか  サンクチュアリ出版

 この本は、デジタルカメラの入門書です。
漫画と写真で解説している本なので、
初心者の人にとっては、気楽に読めるでしょう。
 さて、今の時代、写真は、
スマートフォンでも可能となっています。
 しかしながら、旅先などの現地で感じた感動を、
せっかく写真に収めたのに、自宅で見てみると、
全く感動のない、平凡な写真になっている。
 それどころか、いったい何の写真を撮ったのか、
自分でも思い出せない。
この写真のテーマは何だったのか、自分でもわからない。
そういう経験はないでしょうか。
 今の時期ならば、紅葉のシーズンですので、
紅葉の風景をスマートフォンで撮影した人が多いでしょう。
しかし、99%の人が失敗したかと思います。
 赤く燃えるような美しい紅葉。
そんな感動を写真に収めるとなると、意外に難しいのです。
 まず、紅葉の写真は、逆光で撮る必要があります。
順光で撮影すると、赤色が、くすんだ色になります。
 次に、紅葉の写真は、望遠レンズで撮る必要があります。
望遠レンズというと、遠くのものを拡大するイメージがありますが、
実は、望遠レンズの本来の機能は、風景を「切り取る」という機能です。
風景の中で、美しい部分を切り取って、写真を撮るということです。
 紅葉を広角レンズで撮ると、
「いったい何のテーマで写真を撮ったのか」という写真になってしまいます。
スマートフォンのカメラは、通常、広角モードになっていると思います。
 実は、望遠レンズよりも、広角レンズのほうがプロ向けです。
広角レンズの場合、前景、中景、遠景を考えて撮影する必要があります。
 これは、正に絵画の世界です。
学校の美術の授業で、美術の先生は、こう教えたはずです。
風景の絵を描く時は、前景、中景、遠景をよく考えて書きましょう。
そして、何がテーマなのか、わかるようにしましょう。
広角レンズで写真を撮る時も、同じです。
 一方、望遠レンズというものは、
遠くのものを拡大するのではなく、
風景の中で、美しい部分だけを切り取って、
写真を撮るのが本来の機能ですので、初心者向きです。
 観光名所へ行くと、カメラ愛好家が、
大きな望遠レンズがついたデジタルカメラを持っているかと思います。
 素人の人は、こう思うでしょう。
「風景の写真を撮るのに、広角レンズではなく、なぜ、望遠レンズなのか」
 観光名所で、広角レンズを使うと、
前景、中景、遠景まで写りますので、
当然、多数の観光客が写ります。
これでは、何の写真を撮ったのか、テーマが不明となります。
 カメラの初心者こそ、望遠レンズを使いこなせるように練習すべきであり、
絵心のある人は、広角レンズを使いましょう。

































































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